こんにちは。
Dream Artの似顔絵師の佐伯祐一です。
イベントなどで絵を描いていると、サインを求められることがあります。
絵を気に入ってくれて、サインがほしいと思ってもらえることは、本当に嬉しいことです。
でも、始めから絵の好き嫌いなど関係なく、「価値が上がるかも…」という理由で、絵を依頼されることがあります。
正直少し、悲しくなります。
もちろん、それでも私個人としては嬉しいことなのですが、「絵のイメージ」がそうだということが悲しいんです。
好きなアーティストのCDを買うときに、そんなことを思いますか?
贔屓にしている美容師や、ネイリストに、そんなことを思いますか?
稀に、思うことはあるかもしれませんが、なかなかないことだと思います。
でも、絵はそういう見方をされることが多いような気がします。
まだまだ絵だけで純粋に、人の心をうつようなものが少ないからですかね?
少し前に話題になった、舛添元都知事の、私物の美術品購入の件もとても嫌な気分になりました。
全く政治的な意味ではなくて、純粋に美術品や絵のイメージが、さらに「金銭的価値」で見られてしまうような気がしたからです。
私が絵を仕事にしている理由は、もちろん「絵を描くことが好きだから」です。
だからこそ、もっとたくさんの人に絵を好きになってもらいたいし、絵が好きな人が一生絵で食べていける世の中にしたいです。
そのためには必要なことは、絵の価値を上げることなんかじゃありません。
もっともっと絵を身近なものにすることだと思っています。
私なら、お祝いごとに大きなお花を贈られるより、小さなお花と絵をもらった方が嬉しいです。
絵を描く私でさえそう思うんですから、描けない人なら尚更じゃないでしょうか?
だからこそ、これからも、誰もが気軽にオーダーできる値段で、絵を提供していければと思っています。